カートテクニック


カートは単純かつ奥が深い

後輪駆動の後輪ブレーキで、デファレンシャル構造がないレンタルカート・レーシングカートにおいて、大切なのは慣性の使い方と荷重移動によるグリップの使い方です。逆に言えばこれだけです。
そこに、ステアリング(ハンドルの切り方)と、ブレーキングとアクセルワークの3つの連動がドライビングテクニックとして加わるのです。

カートはアクセルを踏むことがタイムを縮めるカギではありません。この上記の攻略による、減速の谷間を作らないことがタイムを縮めるカギなのです。
ここで、ちょっとだけコーナリングの基本についてご案内します。

 

ブレーキとステアリングとアクセルの連動

フルアクセルの状態からコーナリングしてフルアクセルしていく場合のステップを簡単にご紹介します。


STEP1:まっすぐフルアクセルしてコーナーに向かいます

ステップ1
 

STEP2:マシンがまっすぐな状態でブレーキング

まず、ブレーキは基本的にマシンがまっすぐ向いている状態で行いましょう。リアブレーキのみですので、ハンドルを切っている(=フロントタイヤが曲がっている)状態でブレーキをかけても、慣性の力が働き横滑りします。その分、コーナーを脱出(コーナー出口にマシンが向く)する時にタイヤのグリップが得られず、タイムをロスします。
ステップ2
 

STEP3:ブレーキを引きずりながら曲がり始める

充分に減速したら、ハンドルを切ります。上手い人はハンドルをそんなに切っていません(舵角がそんなにないです)。それは、充分な減速による慣性の抑制とブレーキングによるフロントタイヤへの荷重がしっかりできているため、フロントタイヤのグリップが充分に効いており、舵角が無くても曲がれるのです。また、曲がり始めてクリッピングポイント(コーナートップ)でマシンが出口に向かうまでは極力ブレーキを引きずる(完全にブレーキペダルを離さない)で曲がると良いです。フロント荷重とグリップをしっかり効かせながらロスなく曲がることができます。
ステップ3
 

STEP4:コーナートップ時の状態

コーナートップ(クリッピングポイント)に来た時はすでにマシンが出口に向いている状態でなくてはなりません。このタイミングではブレーキペダルから足を離すと同時にアクセルペダルを踏み始めます。この間をシームレスに操作できるかどうかがタイムロスを無くすカギです。
ステップ4
 

STEP5:ハンドル舵角の戻しとアクセルの踏み込みを反比例させる

ハンドルが曲がっている状態でアクセルペダルを全開に踏んでも、フロントタイヤが横滑りしてこれも加速ロスに繋がります。そこで、フロントタイヤがまっすぐになるにつれ(ハンドルを戻すにつれ)、合わせて少しずつアクセルを踏み込むようにしましょう。速いドライバーはハンドルを戻す作業も(パワステの利いた自動車のハンドルが自動的に戻る感覚とは違い)手動で行いながら、アクセルを踏むことで加速ロスを極限まで抑えることをします。
ステップ5
 

STEP6:ハンドルがまっすぐ=アクセルべた踏み

ハンドルが戻った(フロントタイヤがまっすぐ向いた)時は、アクセルペダルをべた踏みしている状態なはずです。
ステップ6


以上がコーナリングの手順ですが、このSTEP1~6をいかに速く行うかがスピードアップのコツです。この作業を瞬時に行うには反復練習あるのみです。もちろん動体視力も鍛える必要があると思います。脳から手足への神経伝達をいかに速くするかも重要です。

ここにライン取りという、最短距離(コーナーの組み合わせによりますが)を走行するコースが加われば、絶対的に速いコーナリングができると思いますし、この曲がり方が基本中の基本です。

是非、実践的な参考概念としてお役立てください。